シーズン6
面白いことやってやろう。クラボウグループは業界を越えた信頼できるものづくりで多様化するライフスタイルに応えたい。(株)クラボウインターナショナル営業推進部 岡田 太郎 面白いことやってやろう。クラボウグループは業界を越えた信頼できるものづくりで多様化するライフスタイルに応えたい。(株)クラボウインターナショナル営業推進部 岡田 太郎

人の輪でピンチを越えろ!

マンガ1 マンガ2 マンガ3

人の輪でピンチを越えろ!

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現代社会では人々のニーズやライフスタイルが多様化する一方で、多くのB to B メーカーは様々な事業や市場を保有していても、旧態依然の縦割りでモノづくりを行っているケースが多く見受けられます。このような体質のままでは特定顧客の要望への対応が中心となり、新しいニーズやライフスタイルの変化を捉えるのは難しいのが実情で、クラボウも例外ではありませんでした。そこで、繊維関係の商社機能を担うグループ会社のクラボウインターナショナルが、多様な企業や生活者とのパイプ役となって橋渡しを図っています。

営業推進部に所属する岡田は、新しい海外市場の開拓に情熱を燃やし、ヨーロッパや中東を奔走していました。ところが、コロナ禍で海外での活動が全てストップ。ぼう然とする岡田でしたが、そこに新たな任務が与えられます。コロナ禍で寸断された生産拠点の再構築と、グループ横断的な新しいビジネスモデルの構築でした。「海外に行けないのなら国内で」と意気込む岡田は、アンテナを張り巡らせて新たなビジネスチャンスを探り始めます。

そんなとき岡田は、通信販売大手のDHCが純国産の高機能マスクを作ろうとしていることを知ります。DHCとはアパレル関連の取引があり、マスク用の不織布の調達を打診されたのです。不織布はグループ企業の倉敷繊維加工が製造しているので問題ありませんが、原材料の販売だけでは物足りなさを感じた岡田は、以前中東向けにマスク製造の提案を行なったことを思い出します。さっそくその時の提案書をブラッシュアップし、DHCにプレゼンしました。

当初DHCは自社生産を模索していましたが、原材料の調達から縫製、品質管理までグループ内で一貫して行える点が評価され、マスク生産の一括受注に成功します。クラボウグループの強みを活かした受注に大喜びした岡田でしたが、プロジェクトの進行とともに次々と難題が降りかかってきました。化粧品や健康食品を主力商品とするDHCは安全や快適さへのこだわりが並大抵ではなく、ここから岡田の長い長い戦いの日々が始まったのです。

「抗菌・抗ウイルス加工」「肌にやさしいグリセリン加工」「安心の4層構造」「サイドのすき間を塞ぐDガード」… DHCの要望は微に入り細を穿つものでした。抗菌・抗ウイルス加工やグリセリン加工は倉敷繊維加工の得意とする技術なのでクリアできます。しかし、4層構造のマスクというのはあまり例がなく、しかも3層で試作品が完成しかかっていたため一からやり直しです。さらに難問だったのが「Dガード」。初めての試みのため製造現場では正しい立ち上がり角度が決められず、社内でモニターを50人ほど募り、ようやく決定できました。最終的にOKが出たのは約1年後のことでした。

岡田とグループ企業の奮闘によって完成した「究極のマスク」は大ヒット商品となり、発注元のDHCにも、また、消費者の皆さんにも大変喜んでいただけました。繊維資材やアパレル製品を提供するだけではないクラボウの新たな力を確信した岡田は、衣・食・住をつなぐ新たな案件にもチャレンジしています。

子育てファミリー向けのファッションアパレルを販売する企業へ、バングラディシュの生産ネットワークを活かした提案を行っているときでした。雑談の中で同社がレストラン事業も展開し、フリーズドライ食品の製造元を探していることを知ります。岡田はさっそくフリーズドライ食品の製造を行うグループ企業の日本ジフィー食品と相談。共同で新商品の開発を提案し、販売に向けたプロジェクトを立ち上げました。

クラボウグループには衣・食・住の各分野をカバーする部門や企業がありながら、従来は横のつながりが弱く、個別にビジネスを展開していました。岡田は社会の多様化によって衣食住を横断したライフスタイル型のニーズが高まっていることを実感し、情報・人・ものをつないだ新しいビジネスモデルを構築しようとしています。さらに、得意な海外営業を活かして、コロナ禍以前から手がけていたグローバルなサプライチェーンをネットワーク化し、安心・安全で信頼できる製品をグローバルに展開する夢を描いています。