機械をバラバラにして喜んだりする子供でしたので、学校は電気科へ。就職も「電気の仕事ができる」と聞き、フリーズドライ食品を扱う日本ジフィー食品に。でも、机上の知識は実社会では通用しなかったんです。入社してすぐの頃はモーターを焼いてしまったり、配線を間違えたり、たくさん失敗しました…。
そんな中でも大きな失敗は、真空凍結乾燥機を扱っていた20代の頃のこと。ONのスイッチを入れて帰宅したところ、翌朝、会社は大騒ぎに…。なんと、乾燥機の中の「乾燥ねぎ」が、なんと鉄粉まみれになっていたのです…!そういえば、帰り際に乾燥機の中から「ボンッ!」と大きな音が聞こえたな、と思ったのですが、あとの祭り。どうやら高真空状態の中に、空気を一気に注入してしまったようで、それが理由で設備が異常動作して鉄粉入り乾燥ねぎの出来上がり・・・当然すべて廃棄処分となり、会社としても大きな損害になりました。
こっぴどく怒られると思いきや…、上司や先輩から少し怒られるくらいでした。だからこそ、「これではいけない」と自覚が芽生えました。そして、まずはしっかり勉強して資格を取ろう!と決心したのですが、一緒に試験を受けた後輩は受かって、自分は不合格…。私の人生はどこまで失敗が続くのか、とショックを受けたものです。
しかし、今となって振り返れば、それらの経験がその後の仕事の原動力になっています。その時はつらくても奮起して、最終的には自分の糧になっているのです。今まで取得した10以上の資格は、その後の仕事でも大いに役立ちました。つまり、いかに失敗からリカバリーすることを通じて、何を学ぶか、その後の自分を高めていくか、という考え方が大切なんだと思います。
「失敗のリカバリー」と言っても、ひとりでは限界があります。今度は商品の品質面での大きなクレームが発生した時のことです。問題が大きすぎて、自分だけでは絶対にリカバリーできない…。当時はクビも覚悟しました。
でもその時、会社の「仲間たち」が助けてくれて、比較的スピーディーに生産を再開できました。普段のコミュニケーションの中で、「上下関係なく丁寧に伝え合う」、「誠実に語る」ことを心がけていたからだと思います。当時の仲間たちにこの場を借りて、あらためて感謝したいです。信頼関係ができているチームは、もし失敗しても、そのリカバリーを通じて、むしろ「チーム力」が向上する。そして、大きな仕事や、今までやったことのない仕事もできるようになる。工場長を経て、社長というチームリーダーになった今、ますますそう感じています。
昔は機械の修理などの単独作業が好きでしたが、今はチームづくりに夢中です。一人ひとりが夢をもって走り続けられる、そんな舞台を生み出したいと考えています。
今後のビジョンとして、まずは自社のコミュニケーションをもっと活性化したいですね。それがクラボウグループ内に少しずつ広がって、輪になって、例えば今までになかった新しいビジネスが生まれるような、そんなシナジーを生み出して、クラボウグループに好影響を与えたいと思っています。そして、信頼できる仲間たちと、日本ジフィー食品をどんどん成長させていく。力を合わせて、着実に歩んでいきたいですね。
もちろん、その過程でまた大きな失敗があるかもしれません。でも、一人ひとりが夢を持ち、失敗があってもリカバリーし合える「チーム力」、そこから学びを得て、自分を高めたいと思う意識があれば、失敗は必ず成長の糧になります。むしろ、飛躍するチャンスです。これからも、まだまだ“負けるもんか精神”で進みます!
日本経済新聞、日刊工業新聞などでシリーズ展開中
エピソード1
アニマルフリーな羽毛で
心まで暖めるクラボウ
エピソード2
3Dプリンターで
街づくりを変えるクラボウ
エピソード3
畜産の持続可能性を
切り拓くクラボウ
エピソード4
半導体の品質をセンシング
技術で支えるクラボウ
エピソード1
ロボットの「できない」を
可能にするクラボウ
エピソード2
繊維でウイルスから
社会を守るクラボウ
エピソード3
フィルターで空気と社会を
変えるクラボウ
エピソード4
iPS細胞で健康寿命を
支えるクラボウ
エピソード1
交通インフラの未来を
支えるクラボウ
エピソード2
ライフサイエンスの発展に
貢献するクラボウ
エピソード3
持続可能な森林資源の
活用を支えるクラボウ
エピソード4
フリーズドライ食品で
心まで満たすクラボウ
エピソード5
裁断くずをアップサイクル
するクラボウ
エピソード6
多様性を職場のパワーに
変えるクラボウ
持続可能な開発目標(SDGs)に対するクラボウの姿勢と、関わりの深い事業活動を紹介します。
身近な暮らしの中で使用されているクラボウ製品をご覧いただけます。
クラボウグループの挑戦の歴史やその原点、これからの未来に向けた取組みをご紹介。
当社の事業と人材採用・人材育成に対する考え方を紹介。募集要項やWEBエントリーの窓口も。