「色抽出」とはカラー画像処理に用いられる前処理手法のひとつで、カラーカメラから得られたカラー画像(原画像)から、特定の色とそれ以外の色とを分離する処理です。例えば、図2-aのようにカラーカメラによって撮像された3色のピーマンの画像(原画像)から黄色の部分を抽出処理すると、図2-bのような結果画像(抽出画像)が得られます。
このことにより、原画像が256階調(8ビット)×3色(RGB)×画素数の情報量であるのに対し、抽出画像では、2階調(1ビット・白黒)×画素数と、24分の1の情報量となり、後処理への負担が軽くなります。 しかし、実際のFA用途での検査では、ラインのバタツキ、照明の不均一さ、対象物自体の持つ地ムラなど数多くの外乱要素が存在するため、前処理の方式が適切でない場合には、これらの外乱要素がそのまま検査結果の不安定さにつながってしまいます。このため、画像処理における前処理の方式はたいへん重要です。