FA用途向けカラー画像処理装置が商品化されはじめた当時、広く採用されていた方法が、RGB各信号に範囲を設け、全てその範囲に入っている色を抽出するといったRGB方式です(図3参照)。これは、単にモノクロと同じ処理をR(赤)、G(緑)、B(青)の映像に適用しているにすぎません。したがって、ハードウエアは非常に簡単に構成できますが、モノクロ画像処理同様、照明等の輝度変化の影響をダイレクトに受けます。
この方式は光量成分である輝度Yと独立に色成分に閾値を設定できることから、前出のRGB方式に比較して光量変動に強いことが特長です。 しかし、式1からもわかるように色成分と称する色信号(R-Y,B-Y)が光量変動に普遍ではないため、実際に光量変動があった場合、色度が同じであっても抽出できなくなることがあります。 また、人間の感じる色の差とこの色空間で表現される距離(つまり色の差)との関係には線形性が乏しいため、人間が明らかに違うと判断した色を識別不能とすることがあります。 これらの欠点は、オンライン使用時に最も不安定となる光量成分の変動により動作が安定せず、かつ、色識別能力が視感度に対して隔たりがあるという問題になります。
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