人間が物の色を判断するとき(高度な色計測ではなく、通常照明下での一般的色認識を想像してください。)、周囲の明るさが変化した場合でも非常にうまく認識しています。例えば赤い色は、暗くても明るくても赤は赤、薄い色は、明るさを問わず、やはり薄い色です。つまり光量成分と別個の評価パラメータを我々人間は持っており、その判断をいとも簡単にやってのけているということです。
これらの能力と密接に関係しているのが知覚的表色系といわれる表色系です。色はRGB値、XYZ三刺激値等の物理的(波長分布的、吸光度的)表色系で表す方法と、知覚的表色系(色相、明度、彩度等)で表す方法とがあり、知覚的表色系は計量心理的相関を持っています。知覚的表色系のパラメータは「明るい-暗い」(明度)、「色合い」(色相)、「鮮やか-くすんだ」(彩度)、「濃い-薄い」の4つがあります。
この4つのパラメータのうち、光量変動に影響を受けないものはどれでしょう。「鮮やか-くすんだ」(彩度)は、明るくなるほど鮮やかに見えるため、光量の変化に影響を受けますし、「明るい-暗い」(明度)は明るさそのものですので、影響を受けるのは当然です。光量変動に影響を受けないパラメータは「色合い」(色相)と「濃い-薄い」です。この光量の影響を受けない2つのパラメータ(光量変動普遍パラメータ)を有効に利用し、当社独自の色抽出方式“極座標抽出方式”を考案しました。 |