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繊維染色業におけるインクジェットプリンタ技術が企業にもたらす付加価値について説明するとともに、テキスタイル及び広告業界に置けるインクジェットプリンタの応用事例、ならびに製版のデジタル化についてのメリットと課題について解説します。また、フルデジタル化がもたらす繊維製造業の変化と企業お呼びベンダーが成功するキーを提示します。
捺染製造工程の企業間取引は、コンバーター、製版業者、染色工場、縫製工場を経て製品が供給されている。本生産に至るまでには、配色やリピート、全体のバランス、細部の傷などを発注者の見本承認でチェックされる。工程間で数々のやり取りが繰り返されるためビジネスチャンスを失ったり、在庫ロスが発生することが企業にとって大きなリスクとなっている。 製造コストの中でもとりわけ製版が占める比率は高い。元図案を分色しながらフィルムへ写し取るデータ処理作業は人手に頼る部分が多く、各色別に捺染版を製造する工程も熟練技術を要する手作業となっているためコストを押し上げる要因となっている。染料・糊剤などの原材料は、見本作製のような極小ロットの生産において60~80%の廃棄ロスが発生する。工場廃水処理の負荷になるばかりでなく環境上も大きな企業課題となっている。コスト削減のための省人化が技術蓄積や人材の育成を阻害する面も否定できず、製造の空洞化を加速する要因ともなっている。収益性の低下がデジタル化に対応する人材の確保にも大きな影響を与えている。 国内中堅企業においては販売管理100%、在庫管理85%、検査・進捗75%と基幹業務を中心にデジタル化が普及している。捺染デザインのデジタル化は中堅企業の90%以上がすでに何らかのCGを導入しているのに対してインクジェットプリンタを応用したダイレクト製版の普及率は20%と今後の導入が期待される。(2001年 綿プリント機械捺染KURABOユーザー調査による) 『製造業を取り巻く環境』 ●インクジェットが変える捺染業界: 2003年日本の経済は産業空洞化により、かつて無い乱調をきたしている。日本の繊維産業も例外ではなく、製造のグローバル化によるコスト破壊が加速している。環境へも配慮しつつ革新的なサプライチェーンによる全体最適化で工程間のロス削減、平準化、QRの推進といった課題を解消した新しいビジネスプロセスの確立が不可欠となっている。繊維業界においてもインクジェット技術は単にパソコンの出力装置としてではなく、新しい生産技術として業界の中に取り込まれている。オンデマンドによるプリント製品製造、衣料・寝装展示会用見本作成、捺染型のデジタル製版などすでに従来の製造ワークフローを根底から変える仕組みとして活躍している。 ●成長の大きい大判インクジェットプリンタ市場: 大判を除くインクジェット世界市場はハードウェア、メディアおよびインクの合計で、2000年に230億ドル以上、2005年までは年率7%で成長し330億ドルと予想されている。一方大判サイズ市場は、2000年で36億ドル、2005年には75億ドルと年率15%で成長するとされている。台数ベースで前者は、2005年に1億6700万台が出荷され、1台当たりの単価は約196ドルであるのに対して、ワイドフォーマット市場は、500,000台未満だがプリンタ単価は約16,000ドルが見込まれている。(I.T. Strategies社の調査による)
『繊維捺染製造の現状』 わが国における捺染製品の製造業は、国内の熟練工の高齢化、価格競争力の低下のもと、中国を初めとする東南アジア地域各国からの製品輸入が進み、国内製造業の減少と共に国際分業の有り方が問われている。しかも、従来の製造工程は細かな分業で成り立ち、日本人技術者が駐在する中国を拠点とした大規模生産に比べ、国内生産は比較的長い納期と、高いコスト、生産の空洞化という皮肉かつ深刻な現実を招いている。製版を例にとっても、韓国などへの技術・製造移転が進み、国内トレーサーの転廃業の促進を生み出した。トレース制作指示を出しトレースフィルムを入手するまでに、航空便という高コスト運送を利用しても最短で1-3週間という日数がかかっている。CGによるデザイン作製も普及しつつあるが、手書きのデザインスケッチから始まりすべての工程を手作業で処理することも依然残っている。
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