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三次元写真計測の応用事例 |
平成14年10月17日(木)、近接撮影にて、金属の腐食状況の計測、評価を行った。
計測には腐食した金属板を用いた。撮影方法はデジタルカメラのズームをTele端に、焦点距離を60cmに設定した (COOLPIX5000の場合、ズームをTele端、焦点距離60cmの設定で25×19cmの画角を得る)。
また金属板横に硬尺を配置し、これを基準長とした (計測にはTele端、焦点距離60cmで校正されたカメラパラメータが必要となる)。
設定したカメラ焦点距離に合わせて対象物の手前約60cmから撮影。この撮影は、手ブレを考慮に入れ全5枚を撮影 (近接では手ブレなどによって画像がボケやすく、できればカメラを固定できる方が良い)。撮影に要した時間は1分。
【携帯設備】 |
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カメラ NIKON COOLPIX5000・・・・・1台 |
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硬尺 |
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処理用ノートパソコン・・・・・1台 |
■計測処理作業
撮影終了後、直ちに計測処理を行った。
処理に要した時間は、以下の全ての作業を通して約30分ほどであった。
『現況解析』
- 撮影した5枚の画像から適当な物を2枚(上の画像1,2)を選び「Kuraves-K」に取り込む。
- それぞれの一致点(対応点)を13点指定し、カメラ位置を計算した。
- 硬尺の目盛りを基準長として全体のスケールを定めた。
- 画像1に、金属上に約40×40mmにメッシュ状(約1.2mm間隔)の計測点、約1000点を設定し、自動計算させた。
- 誤対応点や三次元化できない点を検索機能で省き、腐食箇所の三次元モデルを作成した。
- 図面化ツール機能を用いて、オルソ画像(図1)から等高線(図2)や断面(図3)を作成した。
図3:断面図 |
■結果
でき上がった等高線をサンプルと目視比較したところ、イメージは合っていると思われる。 またでき上がったデータ(等高線、断面等)を縮尺をそろえて印刷し、さらにDXF出力機能を用いてCAD(このときはAUTOCAD)にて確認した。
30分ほどで作業できる点、現地での手軽(カメラ、縮尺のみ)さ、CADで簡単に検査レポートが作成できる点、などメリットが大きい 。
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