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三次元写真計測の応用事例 |
松原市教育委員会において考古学・遺跡調査のための適応性を評価した。
今回のテストにおいては、発掘現場における遺物の出土状況及び、柱穴の断面を調査するために、最終結果はオルソ画像にて提出を行った。
設定したカメラ焦点距離に合わせて対象物の手前約60cmから撮影。この撮影は、手ブレを考慮に入れ全5枚を撮影 (近接では手ブレなどによって画像がボケやすく、できればカメラを固定できる方が良い)。
撮影に要した時間は1分。
撮影は特殊な装置を用いず、通常の撮影にて行った。また、遺跡分布状況を調べるための個所(対象1;画像1,2)及び柱穴の断面を調査する個所(対象2;画像3,4)の2個所において、それぞれ2枚ずつの撮影を行った。
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対象1 |
対象2 |
環境・撮影日 |
平成14年7月30日(火) 晴れ |
平成14年8月5日(月) 晴れ |
デジタルカメラ |
NIKON COOLPIX5000
(500万画素) |
FUJIFILM FINEPIX6800Z
(130万画素) |
基準 |
なし |
金尺(50cm) |
その他 |
処理用ノートパソコン |
処理用ノートパソコン |
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画像1
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画像2 |
対象1:遺物の分布状況のための撮影画像 |
画像3
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画像4 |
対象2:柱穴の断面調査のための撮影画像 |
■計測処理作業
それぞれの撮影終了後、作業現場に設けられている事務所にて解析作業を行った。解析手順はほぼ同様のため、以下に手順を示す。
(対象1に関しては写された画像の任意2点間が既に計られていたためこれを長さ基準とした。)
『現況解析』
- 2枚の画像を「Kuraves-K」に取り込む。
- それぞれの一致点(対応点)を16点指定し、カメラ位置を計算した。
- 画像1に約400点の計測点を設定し、自動計算させた。(画像3の場合は約100点)
- 誤対応点や三次元化できない点を検索機能で省き、崩壊箇所の三次元モデルを作成した。
【参考】 全処理時間(確認作業含む) |
対象1:70分 |
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対象2:20分 |
■結果
作成されたオルソ画像は、ビットマップの形式でカラー印刷した。現地調査により事前に作成された手書きのトレースデータを重ね合わせ、そのオルソ画像の精度を検証した。照合結果は良好で、図化するための画像データとして、Kuravesで作成されたオルソ画像が適用できることが実証できた。
また、ここで作成された画像データは、三次元モデリングデータとして活用できることもあり、別用途での展開を検討している。
対象1:遺跡出土状況のためのオルソ画像 |
対象2:柱穴の断面調査のためのオルソ画像 |
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