8.三次元画像計測の手法
立体物の形状や三次元位置の計測を「画像」から行うことを総称して「三次元画像計測」と呼んでいますが、その手法には様々なものがあります。
その手法を大きく分類すると、「受動型計測」と「能動型計測」の2つに分かれます。
受動型計測は、対象となる物体に対して、計測の補助となる特定の光や電波等を照射することなく行う計測で、それに対して能動型計測では、三次元計測をするために光、電波、音波などを対象の物体に照射し、その情報を利用して計測を行う方法です。
表1にいくつかの計測手法をご紹介しておきます。
受動型計測 |
レンズ焦点法 |
一眼レフのカメラでフォーカスリングを操作して焦点を合わせるのと同様の原理で、物体の座標とカメラとの距離を計測する方法です。ある地点でピントを合わせ、合ったところのダイアル目盛りで距離が分かります。焦点深度の非常に浅いレンズが必要となりますので、距離のある測定にはあまり向いていません。 |
ステレオ法 |
カメラ等を左右に2台並べて、三角測量の原理で計測を行う手法です。カメラの配置方法によって「両眼視」「三眼視」「カメラ移動型」などの方法があります。「Kuraves-MD」ではこの「カメラ移動型」を応用しています。 |
能動型計測 |
光レーザー法 |
物体に光を当て、その光が戻ってくるまでの時間によって距離画像を得る方法です。 |
アクティブ
ステレオ法 |
アクティブステレオ法ではカメラを2台使う代わりに、1台を光を発する機械に置き換えて計測を行います。投影する光の種類により「スリット光投影法」など様々な手法にさらに分類されます。
※「スリット光投影法」――スリット光を物体に投影した状態で撮影を行い、その光の変化の度合いを取り出して計測を行います。 |
照度差
ステレオ法 |
対象の物体に対して複数の光源を使って、光源を切り替えながら写した複数の画像から面の方向を求める手法です。光源に近い物体の面の面素が明るく写ることで光源方向に傾きを計測できるので、これを複数得ることで立体の計測を行うことができます。 |
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【表1 三次元画像計測手法】