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ホーム >> 知識の部屋 >> 赤外線の話 (3-1.赤外線膜厚計とは)

赤外線の話

3.赤外線膜厚計の話

3-1.赤外線膜厚計とは

赤外線吸収式水分計・膜厚計は非接触測で応答速度も速く、取り扱いも比較的容易なことから製造現場でのオンライン計測器として広く使われています。これらは赤外分光器の原理をオンライン用として応用した計器で、当初水分を測るため開発されました。


水分計は、化学・窯業・食品などの粉体や紙パルプの製造中の水分率を、また膜厚計はプラスチックフィルムの厚さやコンバーテック業界での各種塗工量の測定に用いられ、各製造現場において必要不可欠な計測器として受け入れられています。


これら2つの計測器は装置の構成は全く同一で、水分計が水のOH基の吸収帯を利用しているのに対し、膜厚計が有機樹脂のCH基などに起因される吸収帯を利用しています。




3-2.種々の膜厚計

赤外線方式以外でも、これまでに膜厚計・厚さ計の名称で種々の測定方式を用いた数多く上市されています。
例えば、

  • 放射線方式(β線、γ線、χ線、蛍光χ線など)
  • 光干渉方式
  • レーザー方式
  • 静電容量方式
  • マイクロ波方式
  • 接触方式

などがあります。また同じ赤外線を用いた膜厚計でも、ここで記載するあらかじめ固定された波長(干渉フィルタ方式)を用いるのでなく、全波長スペクトルを用いた方式や最近では赤外光を照射し、測定対象物から戻ってくる熱波の位相差から膜厚を解析するフォトサーモ測定方式も上市されています。


理想的な膜厚計とは測定したい対象物にだけ感度を持つものですが、上記に挙げたいずれの測定方式も測定対象物の材質やその層構成、測定範囲、要求精度、設置環境、価格などに長短所があります。この意味で、測定対象物と測定目的に合った最適な膜厚計とその適応法の選択が最も重要です。


ここでは、最も一般的で実績が多い干渉フィルタ方式の赤外線膜厚計の原理とその用途例を中心にお話します。




3-3.赤外線膜厚計の優位性

他の測定方式と比較した赤外線膜厚計の主な特長を挙げます。

  • 非接触かつ応答速度も速く、連続測定が可能。また測定対象物に影響を与えることが少ない。
  • 放射線厚さ計のように法的規制に従った安全管理を必要とせず、取り扱いも容易である。
  • 測定対象物の振動や表面状態や色・濁りなどの影響を受けにくい。
  • 最適な波長を組み合わせることにより、目的の測定対象物や多種の材質、また膜厚の測定範囲も広くとれる。



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