ごあいさつ株主・投資家情報

株主・投資家の皆様へ

取締役社長 藤田 晴哉

平素は格別のご高配を賜り厚くお礼申しあげます。

さて、当社グループの第215期連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の概況につきまして、ご報告申しあげます。

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナ下での行動制限の緩和などにより、景気の持ち直しが期待されましたが、ロシア・ウクライナ情勢の長期化などの地政学的リスクを契機とした資源価格の高騰や円安の進行によるコストアップ、一部の半導体や電子部品などの供給不足などの影響により、本格的な景気回復には至りませんでした。

このような環境下にあって当社グループは、2022年4月よりスタートした中期経営計画「Progressʼ 24」の基本方針である「高収益事業の拡大と持続可能な成長に向けた基盤事業の強化」のもと、半導体製造関連分野に向けて、高機能樹脂加工品などの成長・注力事業の拡大を図るとともに、基盤事業である繊維事業では、カジュアル需要の取り込みや独自技術による高機能・高付加価値素材の拡販などにより、業績回復に努めました。また、原燃料などの価格高騰に対しては、販売価格への転嫁とコストダウンに取り組み、収益改善を図りました。

この結果、売上高は1,535億円(前年同期比16.1%増)、営業利益は86億7千万円(同15.2%増)、経常利益は100億2千万円(同14.1%増)となりましたが、特別損失に減損損失を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は55億1千万円(同1.5%減)となりました。今後の経済情勢につきましては、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動への制約が解消されたものの、長引くロシア・ウクライナ情勢などの地政学的リスクを背景に、資源価格相場やサプライチェーンは依然として不安定な状況が続くなか、インフレ進行に対する各国の金融引き締めの影響により、景気後退が懸念されます。

このような経営環境のなかで、原燃料価格の変動リスクへの対応が大きな課題であり、引き続き、価格転嫁やコストダウンを進めてまいります。

また、当社グループでは、「イノベーションと高収益を生み出す強い企業グループ」を目指す「長期ビジョン2030」のセカンドステージにあたる中期経営計画「Progressʼ 24」が進行中であり、高収益事業体制の確立に向けて、成長市場における注力事業へ経営資源を集中するとともに、基盤事業の収益力強化に取り組んでおります。さらに、引き続きグループガバナンスを強化するとともに、社会課題に取り組むなどサステナビリティを意識した経営を進めてまいります。

株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご指導ご支援を賜りますようお願い申しあげます。

2024年4月