ごあいさつ株主・投資家情報

株主・投資家の皆様へ

取締役社長 西垣 伸二

連結業績の概況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により経済活動の正常化が進みましたが、物価上昇により個人消費が伸び悩むなど、景気は回復基調ではあるものの力強さに欠ける状況でした。

当社グループの成長・注力事業である高機能樹脂加工品等の販売先の半導体製造関連市場は調整局面に入り減速しましたが、当連結会計年度末にかけ、徐々に回復基調となりました。また、自動車市場におきましても、半導体不足による減産影響も収まり総じて回復基調となる一方、繊維・衣料品市場は、暖冬の影響もあり回復が遅れています。

このような環境下にあって当社グループは、現在進行中の中期経営計画「Progress'24」(2022年度-2024年度)の基本方針である「高収益事業の拡大と持続可能な成長に向けた基盤事業の強化」のもと、半導体製造関連や機能フィルムといった成長・注力事業の業容拡大と繊維や軟質ウレタンをはじめとする基盤事業の収益力強化などに注力しました。

この結果、売上高は1,513億円(前年同期比1.4%減)、営業利益は91億8千万円(同5.9%増)、経常利益は101億9千万円(同1.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は67億3千万円(同22.1%増)となり、各連結利益において過去最高を更新しました。

今後の経済情勢につきましては、賃金・物価の循環的上昇により緩やかに成長するものと思われますが、外需面では中国経済の低迷や中東情勢の緊迫化による物流や資源価格への影響などが懸念されます。

当社グループでは、「イノベーションと高収益を生み出す強い企業グループ」を目指す「長期ビジョン2030」のセカンドステージにあたる中期経営計画「Progress'24」が進行中であり、高収益事業体制の確立に向けて、成長市場における注力事業へ経営資源を集中するとともに、基盤事業の収益力強化に取り組んでおります。

このような経営環境のなかで、賃金や物流コストの上昇や原燃料価格の変動リスクへの対応が、継続的な課題であり、引き続き、価格転嫁やコストダウンを進めてまいります。

2024年6月