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コンクリート構造物のひび割れを見える化する「KK クラックセンサR」が
「2014年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞 日経産業新聞賞」を受賞
クラボウ(資本金 220億円、本社 大阪市中央区、社長 藤田晴哉)繊維事業部が販売している、コンクリート構造物のひび割れの進行を目視で簡単に検査できるツール「KK クラックセンサ®」が、アイデアと利便性を評価され「2014年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞 日経産業新聞賞」(注1)を受賞しました。
1.受賞内容
受 賞 名:「2014年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞 日経産業新聞賞」
受賞商品:コンクリート構造物のひび割れ検知シート「KK クラックセンサ®」
受賞理由:①事前の準備作業が少なく、ひび割れの発見に専門の技能や電源装置が不要で省エネ・省力化につながる。
②水上にある橋脚など検査しづらい場所のひび割れも発見しやすい。
③繊維と樹脂を組み合わせて強度を高める複合材研究の中で、負荷を加えた際に繊維が動いて強度が低下することにより、その部分の樹脂が白変する欠点を逆転の発想で「ひび割れ検査」という新たな用途に活用した。
2.受賞商品について
「KK クラックセンサ®」は、コンクリートのひび割れ発生や、ひび割れ幅の拡大を目視のみで発見できる検知ツールです。コンクリート構造物のひび割れ発生が予測される箇所や、すでに発生している箇所に専用の樹脂製シートをあらかじめ貼り付けておくだけで、ひび割れが発生または拡大した箇所のシート表面が白く変化し、ひび割れの進行状態を簡単に把握することができます。
わが国では、高度成長期以降に集中的に整備された高速道路や橋、トンネルなどの社会インフラが今後一斉に耐用年数とされる50年を越え、その補修・更新が喫緊の課題となっており、これをうけて平成26年には、全国の橋梁・トンネルにおける近接目視による点検が法令で義務化(注2)されました。一方、国や自治体の財政状況は厳しく、また専門の技術者数も少ないことから、高速道路や橋、トンネルの維持・管理を効率化することが課題となっています。
点検の義務化により検査対象件数が増加する中、「KK クラックセンサ®」を活用することで目視検査時にひび割れ箇所を早期に発見でき、またひび割れ進行の見逃し件数を低減できるため、検査作業の効率化と確実性向上に貢献できます。
「KK クラックセンサ®」は、現在、道路橋、鉄道橋、トンネル、ボックスカルバート(地中に埋設される箱型のコンクリート構造物)、水路、水門、ダムなど全国数十箇所のコンクリート構造物の検査に使用されています。
また、同製品は国土交通省のNETIS (New Technology Information System) (注3) にも登録されております。
■NETIS登録番号:KK-140002-A(平成26年6月10日登録)
3.お問い合わせ先
クラボウ 繊維事業部 http://www.kurabo.co.jp/cotton/index.html
繊維素材部 繊維資材課 担当:高島
〒541-8581 大阪市中央区久太郎町2-4-31
TEL:06-6266-5335 FAX:06-6266-5614
以 上
(注1)日経優秀製品・サービス賞について
「日経優秀製品・サービス賞」は毎年1回、特に優れた新製品・新サービスを表彰するもので、1982年に「日経・年間優秀製品賞」として始まり、今回で33回目となります。公募ではなく
1~12月の1年間に日本経済新聞、日経産業新聞、日経MJ、日経ヴェリタス、日経新聞電子版、Nikkei Asian Review の各メディアに掲載された約2万点の新製品・サービスの中から編集局記者が推薦し、審査委員会で約35点の受賞製品・サービスが決定されます。
■日経優秀製品・サービス賞サイト http://www.nikkei.com/edit/news/special/newpro/2014/
(注2)点検の義務化についての法令
国内の橋梁(約70万橋)およびトンネル(約1万本)等において、国が定める統一的な基準により、5年に1回の頻度で、近接目視により点検を行うことを基本とし、点検、診断の結果等についての記録・保存や統一的な尺度で健全性の診断結果を分類することなど、具体的な点検頻度や方法等を義務付けた法令(道路の維持・修繕に関する具体的な基準等を定めるための「道路法施行規則の一部を改正する省令」及び「トンネル等の健全性の診断結果の分類に関する告示」)が、平成26年7月1日に施行されました。
(注3)NETIS (New Technology Information System) について
NETISは、土木関連工事における新技術の情報共有および提供を目的に、国土交通省が運用している技術情報データベースシステムです。国および地方公共団体等の公共工事の入礼者や施工者などが、同データベースに掲載されている技術の活用提案や受注工事に実際に活用することで、入札者や施工者の選定時の評価として加点され、次回以降の入札・受注活動時の評価が高まるなどのメリットがあります。