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2017年9月28日

腸内病原性微生物の遺伝子検査キットの開発と販売開始について
~食品従事者向けの検便検査を簡単、安価、正確に実施可能~

クラボウ(資本金 220億円、本社 大阪市中央区、社長 藤田晴哉)バイオメディカル部は、核酸クロマトグラフィー検査キット「GeneFields(ジーン・フィールド)」シリーズ(注1)の4番目の製品として、検便中のO157などの微生物を簡単に検査できる腸内病原性微生物の遺伝子検査キット「GeneFields(ジーン・フィールド)EHEC/SS」を開発いたしました。本製品の販売に関しては、細菌検査試薬メーカーの極東製薬工業株式会社(資本金 783百万円、本社 東京都中央区、代表取締役 菊地 博、以下 極東製薬工業、注2)と国内での独占販売契約を締結し、平成29102日から販売を開始いたします。

 

1.開発の背景

現在、食品関連メーカーや飲食店などでは、食中毒予防対策などの衛生管理を目的に、食品従事者の保菌者検査として月に一回以上の検便検査が義務付けられており、年間約4,000万件もの検査が実施されています。しかし、従来の培養法では判定には約2日かかり、検便検体を1件ずつ培養して検査するため膨大な手間とコストが発生し、また、検査後の培地が大量の産業廃棄物として発生することなどが課題となっています。近年では検査を迅速化するため、培養法のスクリーニング検査として50人分を一度に検査できる高感度なリアルタイムPCR法による遺伝子検査が用いられていますが、その解析には高額な解析装置を導入する初期投資が必要であるため、リアルタイムPCR検査は検便検査機関の半数程度にしか導入されていないと言われています。そこで当社は、時間・コストの削減と食の安全対策の両立を目的に、腸内病原性微生物の遺伝子を簡単かつ高感度に検出する検便検査キット「GeneFields(ジーン・フィールド)EHEC/SSを開発いたしました。

 

2.「GeneFields(ジーン・フィールド)EHEC/SS」について

検便検査用キット「GeneFields(ジーン・フィールド)EHEC/SS」は、食品従事者の検便検査で対象項目となる、サルモネラ菌、赤痢菌、腸管出血性大腸菌(157など)3種類の腸内病原性微生物の遺伝子を一度に判定することが可能です。本キットは煩雑なDNA抽出を行うことなく、独自開発の核酸クロマト用ストリップと試薬を用いて、PCR増幅と検出の簡便な操作で高感度な検査結果が目視で確認できます。高額なリアルタイムPCR装置を必要とせず、汎用的なPCR装置で検出までを行えるため中小規模の検査機関にも導入しやすい検査キットです。

(1)キット内容

   核酸クロマト用ストリップ(48枚)、プライマー等の専用試薬

(2)判定可能菌種

   サルモネラ菌、赤痢菌、腸管出血性大腸菌(ベロ毒素1、ベロ毒素2)3種類

(3)販売価格

   1キット(48検査) 45,600円(税別)

 

3.販売開始時期と販売目標

(1)販売開始:平成29102

(2)販売目標:平成29年度 1億円

         平成31年度 3億円

 

4.お問い合わせ先

  クラボウ 環境メカトロニクス事業部 バイオメディカル部  担当:小郷

  〒103-0023 東京都中央区日本橋本町2-7-1  TEL: 03-3639-7077

  バイオメディカル部ウェブサイト http://www.kurabo.co.jp/bio/index.html

 

以 上

 

(注1)核酸クロマトグラフィー検査キット「GeneFields(ジーン・フィールド)」

クラボウが遺伝子解析技術を活用して開発した核酸クロマトグラフィー検査技術と、東洋製罐グループホールディングス株式会社が食品や医療品の包装容器事業で培った容器の設計・開発技術を活かし、平成27年に共同開発した特定遺伝子検査キット。簡単・低コスト・高感度な遺伝子検査キットとして、これまで肉種、アルコール、毛髪検査用などをシリーズ展開。

 

(注2)極東製薬工業株式会社について

臨床検査試薬(体外診断用医薬品)、細菌検査用培地・試薬、医療用器材、細胞培養関連等のバイオ関連製品などの開発、製造、販売および輸出入を行うメーカー。細菌検査用培地において国内トップクラスのシェアを誇る。