従来の赤外線膜厚計は測定対象物が赤外線の波長近くの厚み(20μm以下)になると光干渉の影響で測定精度が悪く、特に測定対象物に平滑性がある場合には、測定対象物が10μm以下の厚みでは全く測定することができませんでした。
また、光干渉の影響だけではなく、測定物の表面反射・散乱等の影響も無視することができず、このことがフィルム膜厚測定などでは放射線方式と比べ測定精度が著しく劣るといった誤った先入観がありました。
このような課題に対処したのが当社独自のP偏光方式赤外線膜厚計です。
P偏光とは、図10に示すように入射面に対して平行な成分を持った光波のことで、この光波を偏光角(ブリュースター角)で入射させると表面反射光が生じません。このことは水面からの反射を少なくするためにポラロイドメガネ(偏光メガネ)をかけ、防ぐことを考えると容易に理解できるでしょう。
図10 P偏光角入射の特長
また図11はP偏光方式赤外線膜厚計のセンサヘッドの構成図で、偏光子(ポラロイド)を干渉フィルタの後に設置してP偏光光を偏光角入射しています。この方式を採用することによって、従来の赤外線方式では測定困難であった金属鏡面上の樹脂薄膜やフィルム上の極薄コートなどが非常に精度良く測定できるようになりました。
図11 P偏光型透過型赤外線膜厚計の構成図
1. | 赤外線の話 |
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3-1. | 赤外線膜厚計とは |
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