前項までに挙げた色差式が調色業務で主に使われる色差式です。
CIE1976Lab色差式は、普及が広く欠点を補うだけの共通性を持っています。CMC色差式は、成立の性格上繊維製品に特化した報告が多く、他の業種での普及が進んでいません。CIE94色差式は、一般の工業に広く利用するため、CMCに比べ、L・C・Hへの細かな依存性を簡略化しており、すでに繊維製品では、CMCの方がよい結果を出すとの報告もあり、今後も検討が期待されています。
つまり、各色差式も一長一短があり、この3種の色差式が汎用性を争う状況が続くと考えられます。
また、現在では、調色業務で見かけることが少ない
- アダムス・ニッカーソンの色差式
- ハンターの色差色
- CIE 1976Luv色差式
独自な色管理を行っている
等もあるが、ここでは説明を割愛します。
これまで記述したとおり、人間にあった色の差を定量化するのは試行の段階です。だからと言って、色差で管理できないわけではありません。どの色差式でも、基準となる色に対して、スケーリングを行い管理すれば、出荷管理・QCの道具としての使用が可能です。 |